解説
個人情報マスキングは、データの中から個人を特定できる情報を見つけ、伏せ字や種別名に置き換えて、見えない状態にする処理です。対象になるのは、氏名、住所、電話番号、メールアドレス、カード番号などです。カスタマーサポートでは、通話の文字起こし、チャットやメールのログ、生成AIに渡す入力が主な対象になります。
仕組み
個人情報マスキングは、検出と置き換えの2段階で進みます。
- 検出:決まった形式を持つ番号は規則(正規表現など)で、氏名や住所は機械学習のモデルで見つけます。
- 置き換え:見つけた箇所を「***」のような記号や「[氏名]」のような種別名に置き換えるか、削除します。
- 対象の選択:どの種別を伏せるかは、利用目的に合わせて設定します。たとえば、分析用のデータでは氏名と連絡先を伏せ、問い合わせの内容は残します。
さらに、文字起こしだけでなく、通話の録音からも該当する箇所を伏せられるサービスもあります。
実務での使われ方
コンタクトセンターでは、応対記録を社内で広く共有する前や、外部の分析サービスや生成AIへ送る前に、マスキングを掛けます。そのため、通話要約やVOC分析のデータから、担当者以外が顧客の連絡先を読めない状態を作れます。また、カード番号を扱う窓口では、番号をオペレーターにも録音にも残さないDTMFマスキングも使われます。
注意点
自動の検出は、すべての個人情報を見つけられるとは限りません。言い間違いや聞き取りの誤りで形式が崩れた番号は、検出から漏れることがあります。したがって、マスキングの結果を抜き取りで確認する運用が必要です。
また、マスキングしたデータでも、元のデータと容易に照合できる状態であれば、個人情報保護法上の個人情報に当たる場合があります。なお、氏名などを伏せただけのデータは、個人情報保護法が定める匿名加工情報や仮名加工情報に当然に当たるわけではありません。さらに、伏せる前の元データ(録音など)は別に残るため、元データのアクセス権限と保存期間もあわせて決めておきます。
該当する用語がありません