解説
VPN(Virtual Private Network)は、多くの利用者が共有する公衆ネットワークの中に、特定の組織だけが使える専用のネットワークを仮想的に作る技術です。社外から社内ネットワークに接続する場合は、インターネット上に暗号化された経路(トンネル)を作り、専用線でつながっているかのように安全に通信します。
種類
VPNは、使うネットワークによって大きく2つに分けられます。
- IP-VPN:通信事業者の閉域網を使うVPN
- インターネットVPN:誰でも利用できるインターネットを使うVPN
インターネットVPNは、さらに拠点同士をつなぐ「サイト間VPN」と、社外の端末から社内ネットワークに接続する「リモートアクセスVPN」に分かれます。暗号化の方式には、IPsecや、TLSを使うSSL-VPNなどがあります。
実務での使われ方
在宅対応や複数拠点での運用では、顧客情報を扱うシステムへの接続経路をどう守るかが論点になります。VPNは、接続経路を守る代表的な手段です。たとえば、VPNとIP制限を組み合わせれば、在宅のオペレーターも社内ネットワークを経由しなければシステムに入れない状態をつくれます。
注意点
音声通話をVPN経由にすると、経路が遠回りになって遅延が増え、通話品質が下がることがあります。そのため、音声通話をVPNの対象外にする、またはSD-WANなどで経路を分けるといった構成がとられます。
また、VPN装置の脆弱性を突かれた侵入事例が国内外で報告されています。たとえば、JPCERT/CCは、Ivanti Connect Secureの脆弱性(CVE-2025-0282)が悪用された被害を国内で複数確認したとして、2025年1月に注意喚起を出しました。さらに、警察庁による令和7年上半期の分析では、ランサムウェアの感染経路の8割以上を、VPNやリモートデスクトップ用の機器からの侵入が占めています。したがって、VPN装置のファームウェアの更新と、IDやパスワードなどの認証情報の管理を、運用の手順に組み込んでおく必要があります。
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