解説
ビッグデータは、量、種類、発生速度のいずれかが大きく、従来の表計算やデータベースでは扱いきれないデータ群を指します。通話音声やチャット履歴、Webの行動ログなど、コンタクトセンターは、ビッグデータにあたるデータが日々生まれる現場です。
種類
ビッグデータの特徴は、次の3つの頭文字「3V」で説明されることが多くあります。
- Volume(量):膨大な量のデータが継続的に生まれる
- Variety(種類):数値の表のような構造化データだけでなく、音声や文章などの非構造化データも混在する
- Velocity(速度):データがリアルタイムに生まれ、同じ速さで処理することが求められる
さらに、Veracity(正確性)とValue(価値)を加えた「5V」で説明されることもあります。
実務での使われ方
集めただけのデータからは、傾向は見えてきません。音声やログは、記録した時点では検索も集計もできない形のままだからです。たとえば、通話を文字起こしして問い合わせ理由で分類する、チャットの文面から頻出する語を抜き出すといった処理を経て、ようやく件数や傾向として読めるようになります。したがって、何を知りたいのかを決めずに保存量だけ増やすと、保管費用と管理の手間が積み上がるだけで終わります。
注意点
ビッグデータは、個人情報を含む前提で保管と利用の範囲を決めます。コンタクトセンターのデータには、氏名、連絡先、契約内容、支払い状況といった個人情報が混ざるためです。分析に回すときは、取得時に示した利用目的の範囲に収まっているか、どこまで匿名化するか、誰がアクセスできるかを先に決めてください。さらに、録音の一部を外部の分析事業者へ渡す場合は、委託先での取り扱いまで確認が必要です。保存期間を決めずに残し続ける運用は、漏えいが起きたときの被害をそのまま大きくします。
なお、2026年7月に成立した改正個人情報保護法の大部分の施行日は、公布日(2026年7月17日)から2年を超えない範囲で政令が定める日とされています。改正法は、提供先が取り扱う目的の全部が統計作成等である場合に限り、公表などの要件を満たせば、本人の同意なく個人データを第三者に提供できると定めています。個人情報保護委員会の資料では、統計作成等であると整理できるAI開発等も対象に含まれると説明されています。一方で、改正法は、委託先が受託業務に必要な範囲を超えて、委託された個人情報を取り扱うことを禁じています。
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