解説
放棄時間は、コンタクトセンターに電話が着信してから、オペレーターが応答する前に顧客が電話を切るまでの時間です。放棄呼1件ごとに計測され、センター全体では平均放棄時間や件数の分布として集計します。放棄呼率だけでは分からない「顧客がどこまで待てるか」を読む材料になります。
算出方法
放棄時間(秒)= 顧客が電話を切った時刻 − 着信した時刻
平均放棄時間(秒)= 放棄呼の放棄時間の合計 ÷ 放棄呼数
実務での使われ方
日次の平均だけでなく、時間帯や問い合わせ内容ごとに分けて放棄時間を見ると、待たせ方の違いが表に出ます。
たとえば、放棄時間が極端に短い場合は、待つつもりのない呼(かけ間違い、IVRの選択ミス)が含まれている可能性があります。一方で、放棄時間が長い場合は、待つ意思のある顧客を取りこぼしていることになります。したがって、前者ではIVRの案内文や番号選択の再検討、後者では要員配置やコールバック予約の導入と、打ち手の向く先が変わります。
注意点
放棄時間は平均で語られがちですが、10秒で切る呼と5分待って切る呼が混ざると、平均は実際には存在しない中間の値になります。そこで、30秒未満、30秒から3分、3分以上といった区切りで件数の分布を見ると、どの層が離脱しているかが分かります。サービスレベルの目標秒数を決めるときも、平均ではなく分布のどこに山があるかを見て判断します。
また、IVRで案内を聞いている時間を放棄時間に含めるかどうかで、数値は変わります。日本コンタクトセンター協会の定義では、着信した時点を起点とします。そのため、他社やほかの期間と比較するときは、計測の起点をそろえます。
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