解説
アクセシビリティは、利用者の年齢や障害の有無、使っている機器などの条件によらず、情報やサービスを支障なく利用できる状態を指します。カスタマーサポートでは、FAQサイト、問い合わせフォーム、チャットの入口など、顧客が最初に触れる画面が主な対象になります。読めない、操作できないという理由で自己解決を諦めた顧客は、結局は電話やメールで問い合わせてきます。したがって、アクセシビリティは対応品質の問題であると同時に、入電量にも影響する論点です。
障害者差別解消法の改正法(令和3年法律第56号)が2024年4月1日に施行され、改正前は努力義務だった民間事業者の合理的配慮の提供が義務となりました。サポート窓口でいえば、電話での会話が難しい顧客のためにメールやチャットの経路を用意する、といった対応が該当します。
判断基準
Webサイトのアクセシビリティを判断する技術的な基準としては、W3Cが勧告するWCAG(Web Content Accessibility Guidelines)と、日本産業規格のJIS X 8341-3が参照されます。JIS X 8341-3:2016は、WCAG 2.0を基にした国際規格ISO/IEC 40500:2012の一致規格で、WCAG 2.1以降の追加項目は含みません。
一方で、W3Cは2023年にWCAG 2.2を勧告しており、WCAG 2.2と同一の国際規格ISO/IEC 40500:2025も発行されています。さらに、JIS X 8341-3の改正原案作成委員会が2025年10月30日に発足し、ISO/IEC 40500:2025との一致規格とする方針で改正作業を始めました。
実務での使われ方
FAQサイトとフォームのアクセシビリティは、読み上げと操作の両面で確認します。主な確認項目は次のとおりです。
- 画像に代替テキストを付け、図版だけで説明を完結させない
- 文字と背景のコントラストを確保し、色の違いだけで情報を区別しない
- マウスを使わずキーボード操作だけでフォームを送信できるようにする
- 見出しを階層どおりに入れ子にし、読み上げソフトで構造をたどれるようにする
- 入力欄と説明文をlabel要素で結び付ける
- 動画マニュアルには字幕を付ける
出典
- 障害を理由とする差別の解消の推進(内閣府)
- Web Content Accessibility Guidelines (WCAG) 2.1(W3C)
- JIS X 8341-3:2016はいつ改正されますか?(ウェブアクセシビリティ基盤委員会)
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