解説
エージェンティックAIは、人が一手ずつ指示しなくても、AIが目標の達成に向けた計画と実行を自律的に進める形態のAIを指します。多くの場合、大規模言語モデル(LLM)などの生成AIを中核に使います。従来の生成AIの活用は、質問への回答や文章の作成が中心でした。一方で、エージェンティックAIは、実際に処理を実行するところまでを担います。
「AIエージェント」と同じ意味で使われることもあります。ただし、Gartnerは、AIエージェントをエージェンティックAIの一種とし、エージェンティックAIを、より包括的な概念と位置づけています。また、Google Cloudは、個別の作業を担うAIエージェントを構成要素とし、複数のエージェントを連携させて広範な目標を達成するシステムをエージェンティックAIと説明しています。
仕組み
エージェンティックAIは、次のような流れで作業を進めます。
- 目標を受け取り、達成に必要な手順に分解する
- 必要な情報を調べ、APIなどを通じて外部システムを操作する
- 実行した結果を確認し、次の行動を決める
Gartnerは、エージェンティックAI(エージェント型AI)が、記憶、計画、センシング、ツール利用、ガードレールなどの構成要素を備えるとしています。
実務での使われ方
エージェンティックAIの導入により、サポートにおけるAIの役割は「答える」から「処理する」へ広がります。たとえば、従来のAIチャットボットは、解約手続きの方法を説明するところまでが役割でした。一方で、エージェンティックAIは、本人確認を経て契約管理システムで解約を実行し、完了通知を送るところまで担えます。パスワードの再設定、配送日の変更、少額の返金処理なども、同じ形で扱えます。そのため、サポート部門は、自己解決率だけでなく、手続きの完了までを自動化の範囲に含めて検討できます。
注意点
エージェンティックAIは処理を実行できるため、誤った処理も実行してしまう可能性があります。そのため、金額や契約に関わる操作では、実行前に顧客へ確認を求める、一定額を超えたら人の承認を挟むといった制限を、権限の設定で設けます。さらに、実行した内容を記録に残し、あとから取り消せる手順を用意します。どの業務をどこまでAIに任せるかの線引きが、導入の中心的な検討事項になります。
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