解説
ミニマムスキルは、コンタクトセンターの各ポジションで、業務にデビューする時点で最低限身につけておくべきスキルと知識の水準です。たとえば、新人オペレーターであれば、研修を終えて実際の応対に入るための合格ラインを指します。ミニマムスキルは、全部を覚えてから現場に出すための基準ではありません。周囲の支援を受けながら実務に入れる線を引くための基準です。
判断基準
ミニマムスキルは、何を、どの状態でできれば合格なのかを行動で書きます。たとえば、次のような基準です。
- 基本的な問い合わせ5類型に自力で回答できる
- エスカレーション基準を説明できる
- ロールプレイングの評価で一定点以上を取れる
- 答えられない質問を受けたときに、保留の入れ方、SVへの引き継ぎ方、折り返しの約束の仕方を実行できる
「一通り理解している」のような表現では、判定する人によって結論が変わります。一方で、行動で書いた基準であれば、評価者が替わっても判定がぶれにくくなります。
実務での使われ方
ミニマムスキルの基準が曖昧なまま新人をデビューさせると、現場でのフォローの負担やクレームが増えやすくなります。そのため、トレーナーやSVは、研修の最後にミニマムスキルの基準で評価し、デビューの可否を判断します。
また、知識の量だけで判定すると、分からない場面で沈黙したり、推測で答えたりする新人を合格させてしまうおそれがあります。実務では、知っている質問より、知らない質問への対処が問われる場面が多くあります。したがって、答えられないときの動き方も合格条件に含めておくと、誤案内を防ぎやすくなります。
注意点
ミニマムスキルは独り立ちの完成形ではなく、支援を受けながら実務に入るための入口の水準です。ミニマムスキルを高く設定しすぎると研修期間だけが延び、低すぎると現場の負担が増えます。そのため、デビュー後1か月、3か月の到達目標を別に用意し、入口の水準と成長段階を分けて管理してください。
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