解説
リスクマネジメントは、起こり得る問題をあらかじめ見積もり、防ぐための手立てと、起きたときの手順を用意しておく取り組みです。日本産業規格JIS Q 31000:2019(国際規格ISO 31000の日本版)は、リスクを「目的に対する不確かさの影響」と定義しています。そのため、リスクには損失だけでなく、目的の達成を左右するさまざまな要因が含まれます。
サポート部門は、顧客からの申し出という形で、リスクの兆候を最初に受け取る位置にあります。
仕組み
JIS Q 31000は、リスクアセスメントとリスク対応を中心とした流れを示しています。
- リスク特定:目的の達成を妨げる、または助ける不確かさを洗い出す
- リスク分析:起こりやすさと、起きたときの結果の大きさを検討する
- リスク評価:分析の結果を、あらかじめ決めた基準と比べ、追加の対応が必要かを判断する
- リスク対応:対応の選択肢を選び、計画して実施し、効果を確認する
たとえば、洗い出した項目は、起きる頻度と、起きたときの損害の大きさの2軸で並べます。頻度が低くても損害が大きいものは、手順書と連絡経路だけでも先に用意しておく対象です。一方で、頻度が高く損害が小さいものは、確認手順や画面の文言を改めて、発生そのものを減らすほうが早く効きます。
実務での使われ方
サポート部門では、たとえば次のようなリスクを想定しておきます。
- 個人情報の漏えいや誤送信
- 誤った案内による顧客の損害
- SNSへの情報流出と炎上
- 拠点の停止による受付不能
- カスタマーハラスメントによる人材の流出
注意点
窓口で拾った兆候は、誰がどこへ報告するかを決めておかないと、担当者の判断で止まります。したがって、同じ不具合の申し出が短期間に続いたときや、個人情報に関わる操作ミスが起きたときに、SVから品質管理や情報セキュリティの担当へその日のうちに報告する、という経路と期限を明文化しておきます。
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