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東京都カスタマー・ハラスメント防止条例

英語表記
Tokyo Ordinance for the Prevention of Customer Harassment
読み
とうきょうとかすたまーはらすめんとぼうしじょうれい
別名
東京都カスハラ防止条例

業種を限定しないカスタマーハラスメント防止条例として全国で初めて制定され、2025年4月1日に施行された東京都の条例。

解説

東京都カスタマー・ハラスメント防止条例は、カスタマーハラスメントの防止を目的として東京都が定めた条例です。2024年10月4日に制定され、2025年4月1日に施行されました。業種を限定しないカスタマーハラスメント防止条例の制定は、全国で初めてとされています。なお、同じ2025年4月1日には、北海道と群馬県でもカスタマーハラスメント防止条例が施行されました。

条例は、カスタマーハラスメントを「顧客等から就業者に対する、著しい迷惑行為であり、就業環境を害するもの」と定義しています。さらに、罰則を設けず、顧客、事業者、就業者の各主体の責務を示す形をとっている点が特徴です。つまり、条例は誰かを処罰するためではなく、社会全体で「してはいけないこと」の線を共有することを狙いとしています。

実務での使われ方

条例と、2024年12月19日に策定された指針では、事業者に対して次のような取り組みに努めることを求めています。

  • カスタマーハラスメント対策の基本方針を明確にし、従業員に周知する
  • カスタマーハラスメントを受けた就業者が相談できる窓口を決め、周知する
  • カスタマーハラスメントへの対応や防止のための手引(マニュアル)を作成する
  • 相談者のプライバシーの保護や安全の確保、心身のケアなど、就業者に配慮する
  • 従業員への研修を継続して行う

コンタクトセンターでは、応対の打ち切り基準やエスカレーションの手順を手引に盛り込み、オペレーターが一人で抱え込まない体制を作る際の根拠として使われます。

注意点

条例が事業者に求める取り組みは努力義務で、違反しても直ちに刑罰などの対象になるものではありません。

一方で、改正労働施策総合推進法のカスタマーハラスメント対策の規定(2026年10月1日施行)は、事業主にカスタマーハラスメント対策の措置を講じる義務を課しています。条例は東京都内で事業を行う事業者などが対象で、労働施策総合推進法の措置義務は全国の事業主が対象です。そのため、都内の事業者は両方を踏まえた体制が必要になります。ただし、方針の策定や相談窓口の設置は共通する部分が多いため、まとめて検討するのが実務的です。

出典