解説
モンスタークレーマーは、正当な範囲を超えた要求や、暴言・長時間の拘束などの不相応な手段を繰り返す顧客を指す俗称です。法令上の定義がある言葉ではありません。2025年6月11日に公布された改正労働施策総合推進法が定義しているのは、顧客等の「言動」としてのカスタマーハラスメントです。つまり、法律上の判断の対象は人ではなく行為です。そのため実務では、行為に着目した「カスタマーハラスメント」や「悪質クレーム」といった用語のほうが、判断基準を示しやすく好まれます。
判断基準
対応を判断するときは、顧客の人物像ではなく、目の前の行為と要求内容を見ます。ラベルを人に貼ると、正当な申し出をしている顧客まで同じ枠で見てしまう危険があるためです。
- 要求の内容が、提供しているサービスの範囲を超えているか
- 要求の手段が、暴言や長時間の拘束など不相応であるか
要求の内容と手段の2つの軸で整理し、軸ごとに対応基準を定めておくと、現場が判断に迷いません。
実務での使われ方
対応を終了する基準、上位者への引き継ぎ、記録の残し方、必要に応じた法務や警察への相談までを、企業としてあらかじめ文書化しておくことが、現場を守るうえで重要です。改正労働施策総合推進法のカスタマーハラスメント対策の規定(2026年10月1日施行)は、事業主に、カスタマーハラスメント対策として方針の明確化や相談体制の整備などの措置を講じる義務を課しています。措置の具体的な内容は、厚生労働省が2026年2月に公表した指針に定められています。
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