解説
アーランは、1本の回線が1時間にわたって途切れなく使われている状態を1とする、呼量の単位です。コールセンターでは、回線だけでなく、オペレーターがどれだけ応対に占有されているかを表す場合にも使います。単位名は、電話交換の理論を築いたデンマークの数学者・技術者、アグナー・クラルプ・アーラン(A.K. Erlang)に由来します。アーランはコペンハーゲン電話会社に勤めながら、電話の呼損や待ち時間に関する研究を行いました。その後、1946年に、現在のITU-Tの前身にあたる国際機関が、呼量の国際単位の名称として「アーラン」を採用しました。
算出方法
呼量(アーラン)= 1時間あたりの呼数 × 1件あたりの平均保留時間(時間)
平均保留時間は、1件の呼が回線を占有する時間です。コールセンターで必要人数を求める場合は、通話・保留・後処理を合わせた平均処理時間(AHT)を使います。たとえば、1時間に120件の入電があり、平均処理時間が5分であれば、120件×5分=600分=10時間となり、呼量は10アーランです。
実務での使われ方
呼量がわかれば、必要なオペレーター数を見積もれます。待ちを許さず、すべての回線がふさがっているときの呼は失われるという前提の計算式をアーランB式と呼び、主に回線数の設計に使います。一方で、つながらない呼が待ち行列に並ぶという前提の計算式をアーランC式と呼び、コールセンターの必要席数の算出に使います。実際にシフトへ入れる人数は、アーランC式で求めた席数に、休憩や研修などで席を離れる時間(シュリンケージ)を上乗せして決めます。
注意点
アーランC式は、入電がランダムに起きる(ポアソン到着)、1件の処理時間が指数分布に従う、顧客は途中で電話を切らずに待ち続ける、という前提に立っています。そのため、キャンペーン直後の集中や障害時の急増のように入電が一点に集まる場面では、計算値をそのまま使えません。また、アーランC式は放棄呼を考慮しないため、必要人数が実際より多めに算出されやすい点にも注意が必要です。
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