解説
アップセルは、すでに利用している顧客に対して、より上位のプラン、より多いライセンス数、より高機能な構成への変更を提案することを指します。単価の引き上げによって、顧客数を増やさずに売上を伸ばせる点が特徴です。なお、現在の契約とは別の商品やサービスを併せて提案することはクロスセルと呼ばれ、アップセルとは区別されます。
アップセルを提案するきっかけの一つは、顧客が現在のプランの制限に実際にぶつかっているときです。
実務での使われ方
サポートやカスタマーサクセスの担当者の案内が、アップセルの起点になることがあります。たとえば、「この機能は上位プランでご利用いただけます」という案内を通じて、自然な形で提案のきっかけが生まれます。問い合わせ内容そのものが、顧客のニーズを示すシグナルになるためです。
また、SaaSなどのサブスクリプション型の事業では、アップセルによる増額分がNRR(売上維持率)を押し上げます。そのため、アップセルは解約による減少分を補い、NRRが100%を超える要因になり得ます。
注意点
アップセルの提案は、顧客の問題を解決してから行います。問い合わせ対応の途中で唐突に販売提案を挟むと、顧客は「問題を解決してもらえなかった」と受け取るおそれがあります。したがって、はじめに目の前の問題を解決し、そのうえで選択肢として示す順序が基本です。さらに、顧客が製品の価値を実感していない段階での提案は、不信感につながるおそれがあるため、提案の時期を見極めることが重要です。
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