解説
消費者安全法は、消費者の消費生活における被害を防ぎ、安全を確保することを目的とした法律で、消費者庁が所管しています。消費者安全法の対象となる「消費者事故等」には、商品やサービスの使用による生命や身体の被害だけでなく、虚偽や誇大な広告など、消費者の利益を不当に害するおそれのある事業者の行為も含まれます。
さらに、消費者安全法は、消費生活相談の体制も定めています。都道府県には消費生活センターの設置が義務づけられ、市町村には設置の努力義務が課されています。また、消費生活センターには、国家資格である消費生活相談員資格を持つ者などを消費生活相談員として置くことになっています。
仕組み
行政機関の長、都道府県知事、市町村長、国民生活センターの長は、重大事故等の情報を得たときは、直ちに内閣総理大臣(消費者庁)に通知する義務を負います。消費者庁は、通知された情報を一元的に集約し、分析や原因の究明を行います。
そのうえで、消費者庁は、次のような措置をとります。
- 集約した情報をもとに、消費者への注意喚起を公表する(事業者名が公表されることもある)
- ほかの法律に基づく措置では被害の防止を図れない場合(すき間事案)に、事業者に必要な措置をとるよう勧告し、正当な理由なく勧告に従わない場合は命令する
- ほかの法律で対処できない重大事故等で、急迫した危険がある場合は、商品の譲渡などを禁止または制限する
実務での使われ方
消費者安全法による通知の義務は行政機関などに課されたものであり、事業者自身の報告義務は、製品の種類や関係する法令によって異なります。ただし、消費生活センターに寄せられた相談は行政を通じて集約され、注意喚起や行政措置につながることがあります。そのため、事業者は事故情報を放置できません。
たとえば、窓口に寄せられる「使っていてけがをした」という連絡は、一件のクレームであると同時に、事故情報の最初の入口です。社内で品質保証部門へ確実に情報を渡す経路を持たないと、同じ事故が繰り返された段階で初めて問題が表面化することになります。
出典
- 消費者安全法(消費者庁)
- 消費者安全法(平成二十一年法律第五十号)(e-Gov法令検索)
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