解説
縮退運用は、システムや設備に異常が起きたときに、機能や性能を制限したり、異常のある箇所を切り離したりして、不完全ながらもサービスを継続させる運用です。縮退運用は、縮退運転とも呼ばれます。IT分野では、フォールバックという語が縮退運用と同じ意味で使われることもあります。ただし、本用語集の「フォールバック」は、チャットボットが質問の意図を判定できないときに返す応答を指す別の用語です。障害が起きた場面では、全面的に止めるか、一部の機能を犠牲にして受付だけは続けるかを選ぶことになります。たとえば、負荷が原因の障害では、重い機能を切り離すことで、残りの機能が動き続けられる場合があります。
実務での使われ方
何を止めて何を残すかは、平時に決めておきます。障害の最中には、優先順位を議論する余裕がないことがあるためです。具体的には、止める順序、止める判断をする担当者、元に戻す条件を平時に定め、ランブックに書いておきます。
コールセンターでは、受付チャネルを絞る、音声自動応答で用件を振り分ける、折り返しを前提とした受付に切り替える、といった手立てが縮退運用にあたります。さらに、BCP(事業継続計画)で定めた優先業務と止める順序をそろえておくと、判断が速くなります。
縮退運用の最中は、窓口の担当者が「何が使えて、何が使えないのか」をすぐに答えられる状態にします。止めた機能の一覧、機能ごとの代替手段、復旧の見込みが手元にあれば、担当者は顧客の用件ごとに案内を分けられます。
注意点
縮退運用は、復旧までの時間を稼ぐための手段であり、正常な状態ではありません。この点を社内でも共有しておきます。また、一部の機能だけを止めた状況は、顧客から見ると全面的な障害と区別がつきにくい場合があるため、影響の範囲を具体的に伝える必要があります。あわせて、ステータスページや告知の文面と窓口の説明の表現をそろえ、口頭の説明と公開情報が食い違わないようにします。
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