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ポストモーテム

英語表記
Postmortem
読み
ぽすともーてむ

障害の発生から復旧までを記録し、原因と再発防止策を残す振り返り。

解説

ポストモーテムは、インシデントの内容、影響、緩和や解決のために取った対応、根本原因、再発を防ぐための追加の対応をまとめた記録です。復旧作業が終わり、関係者の記憶と記録が残っているうちに作成します。

ポストモーテムは、個人の責任を問わない前提(ブレームレス)で進める点に特徴があります。ブレームレスでは、関係者全員が善意で、その時点で持っていた情報のもとで正しいと考えた行動を取ったと仮定します。そのうえで、誰が誤ったかではなく、どの仕組みが誤りを通したかを検討します。ポストモーテムを責任追及の場にしてしまうと、次の障害では関係者が事実を話さなくなります。

実務での使われ方

ポストモーテムには、誰の失敗かではなく、何が失敗を通したかを書きます。書き残す項目は、発生から検知、一次対応、復旧までの時系列、影響を受けた範囲、原因、暫定の処置と恒久の対策です。また、事実と推測は分けて書き、分からなかった点は分からないまま残します。

時系列と影響範囲を埋めるうえでは、窓口の記録が役立ちます。最初の申告が入った時刻、顧客による症状の伝え方、どの操作で問題が起きたのかは、監視のログには残らないためです。たとえば、窓口に寄せられた問い合わせの件数と内容を添えると、影響範囲の見積もりが実態に近づきます。さらに、復旧の判断が遅れた原因が、社内への連絡経路にあったと分かることもあります。

ポストモーテムは、顧客への説明資料の土台としても使えます。復旧後に経緯の説明を求められる場面では、ポストモーテムが説明資料の下書きになります。ただし、社内向けの表現をそのまま外部に出すことはできません。そのため、公開用の資料は、記載する範囲と言い回しを絞り、表現を改めて作成します。ステータスページに載せる事後報告もポストモーテムから作成すると、窓口の口頭の説明と公開情報が食い違いません。

注意点

再発防止策には、担当者と期限を添えます。担当者と期限がないと、文書だけが残り、対策が実行されません。また、どのような障害でポストモーテムを書くかは、障害が起きる前に決めておきます。Google SREは、利用者に影響する一定以上の停止やデータの消失などを、ポストモーテムを書く条件の例として挙げています。