解説
ISO 10002は、国際標準化機構(ISO)が発行する品質マネジメント(顧客満足)の規格群の一つで、苦情の受付から対応、分析、改善までの進め方を示した指針です。初版は2004年に発行され、現行版は2018年7月発行の第3版(ISO 10002:2018)です。ISO 10002:2018は2023年の定期的な検証(systematic review)で、改訂せずに現行のまま維持することが確認されています。日本では、ISO 10002:2018と内容が一致するJIS Q 10002:2019が制定されています。
種類
ISO 10002(JIS Q 10002)は、苦情対応で守るべき基本原則として、次の14項目を挙げています。
- コミットメント
- 対応能力
- 透明性:苦情対応の手順に関する情報を、顧客や従業員などの関係者に伝える
- アクセスの容易性:申し出の方法を見つけやすく、使いやすくする
- 応答性:苦情対応に関する顧客のニーズや期待に応える
- 客観性:苦情を公平に扱う
- 料金:苦情を申し出る顧客に費用を課さない
- 情報の完全性
- 機密保持
- 顧客重視のアプローチ
- 説明責任
- 改善:苦情対応プロセスの有効性と効率を継続的に高める
- 力量
- 適時性:苦情の性質などを考慮し、できる限り迅速に対応する
実務での使われ方
ISO 10002は、苦情対応のルールを社内でつくるときのひな形として使えます。とくに、苦情を「処理するもの」ではなく「改善の情報源」と位置づける考え方は、VOC活用の仕組みづくりにそのままつながります。
注意点
ISO 10002は指針(ガイドライン)の規格であり、ISMSやプライバシーマークのように第三者認証を受けることを前提とした仕組みではありません。日本では、ACAP(消費者関連専門家会議)が、組織が自ら規格への適合を評価して表明する「自己適合宣言」を推奨しています。
出典
- ISO 10002:2018 苦情対応マネジメントの指針(ISO(国際標準化機構))
該当する用語がありません