解説
NDAは Non-Disclosure Agreement の略で、秘密保持契約や機密保持契約とも呼ばれます。取引を進める過程で知った相手方の情報を外部に漏らさず、目的外にも使わないことを取り決める契約です。コンタクトセンターの委託では、委託先の検討段階から、応対の実態、システム構成、顧客データの規模までを委託先の候補に開示することになります。そのため、業務委託契約を結ぶ前の入口でNDAを交わすのが通例です。
実務での使われ方
NDAでは、秘密情報の範囲と、目的外の利用の禁止を分けて定めます。主な項目は、何を秘密情報とするのか、どの目的でなら使ってよいのか、義務がいつまで続くのか、契約が終わったときに情報をどう返却または廃棄するのか、といった内容です。ただし、秘密情報の範囲を「開示した一切の情報」と広く取ると運用しきれないため、書面や電子データに秘密である旨を明示する方式を採る例もあります。また、契約期間と秘密保持義務の存続期間を別に定める点も、読み落としやすいところです。
注意点
顧客の個人情報を委託先に預ける場合は、NDAとは別に、個人情報保護法に基づく委託先の監督が必要になります。個人情報保護法は、個人データの取り扱いを委託する事業者に対し、委託を受けた者への必要かつ適切な監督を義務づけています(第25条)。具体的には、適切な委託先の選定、委託契約の締結、委託先における取り扱い状況の把握といった対応が、NDAとは別に求められます。さらに、2026年7月に公布された改正個人情報保護法は、委託を受けた事業者にも、委託された業務の遂行に必要な範囲を超えて個人データ等を取り扱ってはならない義務を明文で課しています。改正法の施行日は、一部を除き、公布日から2年以内で政令で定める日とされています。自社の取引でどこまで定めるべきかは、法務部門や専門家に確認してください。
出典
- 個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)(個人情報保護委員会)
- 個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十七号)(e-Gov法令検索)
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