解説
ニアショアは、海外ではなく国内の地方都市に自社の拠点を置いたり、地方の事業者に業務を委託したりする形態です。首都圏より人件費と賃料を抑えながら、日本語による対応の品質と、国内の法規への対応のしやすさを保てる点が評価されます。また、自治体の誘致支援を受けられるケースもあります。海外に拠点を置くオフショアと比べると、費用の下げ幅は小さい一方で、言語や時差、法制度の違いによる負担がありません。
実務での使われ方
ニアショアの拠点は、首都圏の拠点と入電を分け合うことで、災害時の受け皿にもなります。首都圏の拠点と地方の拠点に入電を分けておけば、一方の拠点が地震や停電で止まっても、もう一方の拠点で電話を受け続けられるためです。そのため、BCP(事業継続計画)の観点からニアショアを選ぶ企業もあります。ただし、分散の効果を出すには、両方の拠点が同じ手順とナレッジで応対できる状態にしておかなければなりません。一方の拠点にしかない業務を残すと、その拠点が止まったときに業務を引き継げなくなります。
注意点
ニアショアの拠点を選ぶ際は、採用できる人数を先に確認します。地方都市は賃料と人件費が下がる一方で、募集をかけたときに集まる人数の上限が首都圏より低くなるためです。さらに、同じ都市に他社のセンターが先に進出していれば、限られた候補者を取り合うことになります。席数だけで拠点を決めてしまうと、繁忙期に増員できず応答率が落ちるため、労働力人口、通勤圏の広さ、既存センターの有無を確認してから決めてください。なお、英語の「nearshoring」は、主に地理的に近い近隣国へ拠点を移すことを指し、日本での用法とは意味が異なる場合があります。
該当する用語がありません