解説
特定電子メール法は、広告や宣伝を目的とする電子メールの送信について、送信者が守るべきルールを定めた法律です。正式名称は「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」で、総務省と消費者庁が所管しています。
対象は電子メールだけではありません。携帯電話やスマートフォンなどの間で電話番号を使って送受信するSMS(ショートメッセージサービス)も対象になります。
判断基準
広告・宣伝メールを送ってよいかどうかは、オプトイン方式を原則として判断します。あらかじめ送信の求めや同意を受けた相手にしか、広告・宣伝メールを送ることはできません。
ただし、次の相手には、同意がなくても送信できる例外が定められています。
- 名刺などの書面により、自己の電子メールアドレスを通知した者
- 取引関係にある者
- 自己の電子メールアドレスをインターネットで公表している者(個人の場合は、営業を営む者に限る)
一方で、受信拒否の通知を受けた相手には、同意の有無や例外にかかわらず、以後の送信ができません。
実務での使われ方
広告・宣伝メールを配信する部門では、次の対応が求められます。
- 同意の記録:同意を受けたことを証する記録を保存する。保存期間は、最後に送信した日から1か月(措置命令を受けた場合は1年)
- 送信者情報の表示:送信者の氏名または名称、住所、苦情・問い合わせを受け付ける電話番号やメールアドレスなどを表示する
- 受信拒否の導線:受信拒否の通知ができる旨と、通知を受けるためのメールアドレスまたはURLを表示する
また、問い合わせ窓口には「配信を止めてほしい」「登録した覚えがない」という連絡が入ります。同意の記録をすぐに参照できる状態にしておかないと、担当者はその場で回答できません。
注意点
この法律の対象は、営業上の広告・宣伝のために送信するメールです。そのため、問い合わせへの返信や、受付完了を知らせる自動返信は、通常は広告・宣伝を目的としたメールにはあたりません。ただし、返信のついでにキャンペーンの案内を載せると、その部分が広告・宣伝にあたる可能性があります。したがって、業務連絡と販促は分けて送る運用が安全です。
さらに、違反には罰則があります。たとえば、送信者情報を偽って送信した場合は1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金(法人は3,000万円以下の罰金)、同意の記録を保存しなかった場合は100万円以下の罰金の対象になります。
出典
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