解説
準委任契約は、成果物を完成させることではなく、業務を遂行すること自体を約束する契約です。民法は、法律行為を相手方に委託する契約を委任と定めたうえで、法律行為でない事務の委託にその規定を準用すると定めています(第656条)。受託者は、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって事務を処理する義務を負います(第644条)。コンタクトセンターの委託は席数や稼働時間を単位とする例が多く、この準委任の性質を帯びます。
請負と違い、完成しなかった一点だけでは責任を問えない
請負では、仕事が完成しなければ債務を果たしたことになりません。準委任で約束したのは事務の処理であるため、期待した結果が出なかったという事実だけを取り上げて責任を問うことは難しくなります。もっとも、注意義務を怠った処理であれば話は別です。どちらにあたるかは契約書の文言と実際の運用の両面から判断されます。
水準を求めるならSLAで測り方まで定める
成果の水準を相手に求めたい場合は、契約書やSLAに数値と測り方を書き込んでおく必要があります。応答率、初回応答時間、放棄呼率といった指標について、集計の対象期間と除外条件まで揃えておくと、後から解釈が割れません。自社の取引が請負と準委任のどちらにあたるかは契約書の表題だけで決まるものではないため、判断に迷う場合は法務や専門家に確認してください。
出典
- 民法(明治二十九年法律第八十九号)(e-Gov法令検索)
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