解説
着信拒否は、特定の相手からの電話を受け付けない状態にすることです。方法は、通信事業者が提供する迷惑電話対策のサービスを利用する方法と、PBXやクラウドPBXの設定で特定の番号からの着信を遮断する方法に分かれます。
たとえば、NTT西日本の「迷惑電話おことわりサービス」では、迷惑電話を受けた後に電話機で操作すると、その番号を拒否の対象に登録できます。登録した番号からかかってきた電話には、電話を受けられない旨のメッセージが自動で流れます。ただし、電話番号が通知されない一部の通話は登録できません。
コンタクトセンターでは、暴言や長時間の拘束が繰り返される相手から従業員を守るための最終手段として、着信拒否が使われます。
実務での使われ方
現場の判断だけで着信拒否を設定すると、後でトラブルになります。そのため、適用基準、承認者、記録の残し方、解除の条件を、あらかじめ社内規程として定めておきます。対応を打ち切る旨の案内方法も含めて、法務部門の確認を経ると安全です。
また、改正労働施策総合推進法のカスタマーハラスメント対策の規定(2026年10月1日施行)は、事業主にカスタマーハラスメント対策の措置を講じる義務を課しています。したがって、着信拒否の適用基準も、自社のカスタマーハラスメント対策の方針と合わせて整理しておくと、判断がぶれにくくなります。
注意点
着信拒否は、あくまで番号単位の制御です。相手が別の携帯電話の番号や公衆電話からあらためて電話をかけてきた場合、着信は遮断されません。また、番号を通知しない着信は番号単位の登録では遮断できないため、非通知の着信を拒否するサービスや設定を別に併用します。さらに、相手がメールや問い合わせフォーム、来訪へ手段を移すこともあるため、電話だけを遮断しても接触そのものは止まりません。
したがって、対応を打ち切ると決めた場合は、どのチャネルでも同じ方針で応じるよう、窓口間で取り決めておく必要があります。また、通話録音や警告の記録を残しておくと、後から経緯を説明する場面で根拠になります。
該当する用語がありません