解説
CES(Customer Effort Score)は、問い合わせや手続きを済ませるために顧客がどれだけ労力を使ったと感じたかを、アンケートで測る指標です。CEB(Corporate Executive Board、現在はGartnerの一部)の研究者が、2010年にHarvard Business Reviewの記事「Stop Trying to Delight Your Customers」で発表しました。CESの背景には、期待を上回る感動的な体験を提供するよりも、顧客の余計な手間を取り除くほうが継続利用につながる、という考え方があります。
算出方法
改訂版のCES 2.0では、「(企業名)のおかげで用件を簡単に済ませられた」という文に対して、1(まったくそう思わない)〜7(とてもそう思う)の7段階で同意の度合いを答えてもらいます。集計の方法には、平均値を出す方法と、肯定的な回答の割合を出す方法があります。
CES(平均値)= 全回答の点数の合計 ÷ 回答数
CES(%)= 5〜7を選んだ回答数 ÷ 全回答数 × 100
なお、初版のCES 1.0は「要望に対応するために、どれだけ労力を使いましたか」と労力の大きさを尋ね、1(とても小さい)〜5(とても大きい)の5段階で答える形式でした。CES 2.0では、顧客がより直感的に答えられるように、「簡単だった」という文への同意度を尋ねる形式に改められました。
実務での使われ方
顧客の手間は、応対の丁寧さよりも、問い合わせの導線やサポート体制から生まれることが多くあります。たとえば、次のような状況がCESを下げる典型的な要因です。
- 問い合わせ窓口が見つけにくい
- 電話がつながるまで長く待たされる
- 担当部署をまたいで何度も同じ説明を求められる(たらい回し)
- 一度で解決せず、顧客が自分から再度連絡する必要がある
- FAQを探しても目的の情報にたどり着けない
したがって、CESが低い場合は、オペレーターの応対だけでなく、チャネルの設計やFAQの内容も点検の対象にします。
注意点
CES 1.0とCES 2.0では、設問の向きと尺度が異なります。CES 1.0の設問は労力の大きさを尋ねるため、評価が高いほど手間が大きいことを意味します。一方で、CES 2.0は点数が高いほど簡単だったことを意味します。したがって、他社の数値や過去の実績と比べるときは、どの版の設問と尺度で集計したかを確認します。
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