解説
カスタマーデライトは、「不満がない」状態を超えて、顧客が予想していなかった価値を受け取り、強い好意を持つ状態を指します。満足(Satisfaction)が期待どおりであることを意味するのに対し、デライトは期待を上回ったときに生まれます。
顧客の受け取り方と行動の違いは、おおむね次のように整理できます。
| 状態 | 顧客の受け取り方 | 行動への表れ |
|---|---|---|
| 不満 | 期待を下回った | 解約、悪い口コミ |
| 満足 | 期待どおりだった | 継続はするが、積極的に人へ勧めるとは限らない |
| 感動 | 期待を上回った | 人に勧める、発信する |
NPS(ネットプロモータースコア)では、0〜10の11段階で9〜10を付けた回答者を推奨者、7〜8を中立者、0〜6を批判者と呼びます。期待を上回る体験をした顧客は、推奨者として高い点数を付けやすいと考えられます。
実務での使われ方
すべての対応で感動を狙うのではなく、「ここぞ」の場面に資源を寄せるのが現実的です。すべての対応で感動を狙うと、コストが合わず、現場も疲弊します。そのため、基本対応の品質を安定させたうえで、解約を検討している顧客や重要顧客への対応に資源を寄せると、投資対効果を高めやすくなります。また、感動の多くは特別なサービスではなく、約束を確実に守ることや、顧客に言われる前に気づくことから生まれます。
注意点
顧客を一度感動させると、顧客の期待水準が上がり、次の機会に同じ対応をしても満足させにくくなるという指摘があります。ただし、ラストとオリバーの研究(2000年)は、感動させた企業も顧客の期待の上昇による不利益を受ける一方で、感動させない競合企業は顧客の流出によって、さらに大きな打撃を受けると結論づけています。したがって、感動を生んだ対応を属人的な例外にせず、継続して提供できる水準かどうかを見極めることが大切です。
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