解説
ポジティブ言い換えは、「できません」「ありません」のような否定の表現を、できることや次に取れる手段を示す表現に置き換える話法です。英語圏のカスタマーサービスでは positive language と呼ばれ、できないことではなく、顧客のためにできることを伝える話し方と説明されています。伝える事実は変えずに、言い方の焦点だけを変える点が特徴です。
種類
言い換えには、たとえば次のようなパターンがあります。
- 否定から代替案へ:「在庫がありません」→「ただいま在庫を切らしておりますが、ご予約を承ることができます」
- 禁止から依頼へ:「その方法では申し込めません」→「お申し込みは、会員ページからお願いいたします」
- 不明から確認へ:「担当ではないので分かりません」→「確認のうえ、担当者から折り返しご連絡いたします」
- 不可から時期の提示へ:「今日は発送できません」→「明日の午前中に発送いたします」
実務での使われ方
トークスクリプトやメールのテンプレートを作る際に、「できません」で終わる文を洗い出し、代わりに案内できる手段を書き添えます。前向きな伝え方は、顧客との対立を避け、協力を引き出しやすいとされています。さらに、応対のモニタリングで否定の表現が多い担当者を見つけ、言い換えの例を研修で共有する使い方もあります。
注意点
ポジティブ言い換えと、クッション言葉・D言葉・S言葉は役割が異なります。クッション言葉は本題の前に置く前置き、D言葉は避けるべき否定の言葉、S言葉は相手の話を受け止める言葉です。ポジティブ言い換えは、本題そのものの伝え方を組み替えます。
ただし、できないことをあいまいにすると、顧客は期待したまま手続きを進めてしまいます。返金できない場合のように結論が否定になるときは、できないことをはっきり伝えたうえで、代わりにできることを示します。
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