解説
ディエスカレーションは、怒りや緊張が高まった相手に対して、言葉や態度で感情の高ぶりを鎮め、落ち着いて話せる状態へ戻していく応対の技術です。米国のサイバーセキュリティ・社会基盤安全保障庁(CISA)は、コミュニケーションなどの技法によって、暴力に発展しかねない状況の緊張を和らげることと定義しています。カスタマーサポートでは、強い不満を持つ顧客との電話やチャットで、対話を続けられる状態をつくる目的で使われます。
実務での使われ方
CISAの手引きは、共感を持って伝えるための技法として、次のような点を挙げています。
- 声の大きさと調子に気を配る
- 言葉を慎重に選ぶ
- 話す速さと抑揚を調整する
- 相手の話に積極的に耳を傾ける
電話やチャットの応対では、たとえば、顧客の話を最後まで聞いてから要点を復唱し、「ご不便をおかけしております」と気持ちを受け止めます。そのうえで、確認する内容と次の手順を具体的に伝えると、顧客は見通しを持てるため、感情が落ち着きやすくなります。
注意点
ディエスカレーションは、エスカレーションの反対語ではありません。エスカレーションは、案件を上位者や専門部署へ引き継ぐことを指します。一方で、ディエスカレーションは、相手の感情の高ぶりを鎮める応対の技術を指します。したがって、担当者がディエスカレーションを試みながら、同時に上位者へエスカレーションする場合もあります。
また、アンガーマネジメントは主に担当者自身の怒りへの対処を扱う点で、相手の感情を鎮めるディエスカレーションとは対象が異なります。さらに、暴言や脅迫などのカスタマーハラスメントにあたる言動を、担当者が1人で鎮め続ける必要はありません。CISAの手引きも、自分と周囲の安全を最優先し、限界を知って支援を求めることを勧めています。企業は、対応を終了する基準と判断する人を事前に決めておきます。
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