解説
共感は、相手が感じていることを感じ取り、相手の立場から状況や気持ちを理解しようとすることです。カスタマーサポートでは、顧客の困りごとや不安を理解し、理解したことを言葉で示す応対を指して使われます。ただし、共感は相手の主張や要求に同意することとは異なります。担当者は気持ちを受け止めたうえで、事実に基づいた案内を続けます。
種類
心理学では、共感を大きく2つに分けて説明することがあります。米カリフォルニア大学バークレー校のGreater Good Science Centerは、次のように整理しています。
- 情動的共感:相手の感情に反応して、自分の中に生じる感覚や気持ち
- 認知的共感:相手の感情を見分け、理解する力。視点取得(perspective taking)とも呼ばれます
応対の場面では、顧客の感情を理解して言葉で示す認知的共感が中心になると考えられます。一方で、情動的共感が強く働くと、担当者が顧客の怒りや不安に引きずられ、心身の負担が大きくなる場合があります。
実務での使われ方
共感は、次のような言葉と行動で示します。
- 顧客の状況を要約して返す(例:「ご注文の商品がまだ手元になく、週末の予定に間に合うかご心配ということですね」)
- 気持ちを言葉にして受け止める(例:「お約束の日に受け取れず、ご不便でしたね」)
- 共感を示したあとで、確認する内容と次の手順を具体的に伝える
チャットやメールでは表情や声の調子が伝わらないため、共感を文章ではっきり示す必要があります。
注意点
共感と、傾聴・ミラーリング・ラポールは、指す範囲が異なります。傾聴は相手の話を遮らずに受け止める聞き方で、ミラーリングは相手の姿勢や身振りに自分の動きを合わせる手法です。ラポールは、共感や傾聴を積み重ねた結果として築かれる信頼関係を指します。また、同じ共感の定型句を毎回繰り返すと、顧客に形式的な対応と受け取られる場合があります。
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