解説
感情労働は、自分の感情を管理しながら、仕事で求められる態度を保つことが業務の一部になっている労働です。アメリカの社会学者アーリー・ホックシールドが、客室乗務員の研究をまとめた著書『管理される心』で提唱しました。感情労働の代表例には、接客業、医療・介護、コールセンターなどが挙げられます。
種類
ホックシールドは、感情の管理を次の二つのレベルに分けています。
- 表層演技:身振りや表情など、外に表す感情表現を管理すること
- 深層演技:その場にふさわしい感情を、心の中で実際に抱こうとすること
実務での使われ方
コンタクトセンターの担当者は、強い不満をぶつけられても、丁寧な対応を保つことが求められます。しかも、対応は1件で終わらず、直後に次の応対が始まります。したがって、感情を切り替える余裕がないことが、担当者の負担を大きくします。
注意点
感情労働の負担は、個人の耐性に任せるのではなく、仕組みで減らす必要があります。たとえば、難しい対応の後に少し時間を置く、SVが声をかける、カスタマーハラスメントには組織として対応するといった運用が、離職の防止につながります。なお、改正労働施策総合推進法のカスタマーハラスメント対策の規定(2026年10月1日施行)は、事業主にカスタマーハラスメント対策の措置を講じる義務を課しています。
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