解説
スウォーミングは、1件の問い合わせに対して、解決に必要な知識を持つ人がその都度集まり、協力して解決する対応の進め方です。英語の swarm(群れ)に由来します。米国の非営利団体Consortium for Service Innovationは、スウォーミングを「Intelligent Swarming」として体系化しています。同団体は、Intelligent Swarmingを、サポートの階層をなくし、必要なときに複数の担当者の専門性を呼び集める方法と説明しています。
実務での使われ方
スウォーミングでは、問い合わせをまず受けた担当者が、既存のナレッジで解決できるかを確かめます。解決できない場合は、社内のチャットなどで助けを求め、問題に詳しい担当者が加わって一緒に解決します。Consortium for Service Innovationは、既知の問題はナレッジで解決し、新しい問題や複雑な問題は人と人をつないで解決することを勧めています。さらに、同団体は、スウォーミングを、応対しながらナレッジを作り更新するKCS(Knowledge-Centered Success)を補完する方法と位置づけています。
スウォーミングを取り入れる組織は、たとえば次のような準備をします。
- 担当者ごとの得意分野を一覧にし、助けを求める相手を探せるようにする
- 助けを求める場所と、応答の目安の時間を決める
- 助けを求めることや、ほかの担当者を手伝うことを、評価の対象に含める
- 協力して解決した内容を、ナレッジとして残す
注意点
スウォーミングは、エスカレーションを中心とする階層型のサポートと対比されます。階層型では、一次対応で解決できない問い合わせを二次対応、三次対応へと順に引き継ぎます。Consortium for Service Innovationは、階層型のモデルでは、引き継ぎによって情報の共有が妨げられ、未解決の案件が待ち行列に入ると指摘しています。一方で、スウォーミングは、引き継ぐ代わりに、最初の担当者のもとへ適した人を呼び集めます。
ただし、スウォーミングを取り入れても、エスカレーションが不要になるわけではありません。担当者の権限を超える返金や、責任者による対応を求められた場合などは、上位者への引き継ぎが引き続き必要です。
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