解説
EX(Employee Experience)は、従業員が採用されてから退職するまでに、勤務先との間で経験するあらゆる関わりと、その中で抱く認識をまとめて指す言葉です。米国の人材マネジメント協会(SHRM)は、EXを、職場の環境などの物理的な体験、業務で使うツールなどのデジタルの体験、価値観や上司との関係などの文化的な体験の3つの側面で説明しています。EXは、顧客の体験を扱うCX(顧客体験)と対になる言葉として使われます。
実務での使われ方
コンタクトセンターでは、オペレーターが入社してから独り立ちし、日々の応対を続けるまでの流れに沿って、体験を点検します。たとえば、次のような場面が点検の対象になります。
- 採用と入社初日の案内
- 研修とデビュー直後の支援
- 応対中に必要な情報を探す手間と、使うシステムの操作性
- クレームやカスタマーハラスメントを受けた後のフォロー
- 評価、フィードバック、キャリアの見通し
点検の結果は、ES調査やeNPSの結果、離職率、面談の記録と組み合わせて、改善の優先順位を決めるのに使います。
注意点
EXとES(従業員満足度)は、同じ意味ではありません。EXは従業員が経験する出来事と認識の全体を指し、ESやeNPSは、EXの結果として従業員がどう感じているかを測る指標です。また、エンプロイーサクセスは、従業員が力を発揮して成果を出せる状態をつくる取り組みを指し、EXよりも成果に重きを置いた言葉として使われます。
さらに、SHRMは、仕事への意欲や献身の度合いを示すエンゲージメントを、EXの結果の一つと位置づけています。したがって、調査の数値だけを追うのではなく、数値の背景にある具体的な出来事を特定することが、EXの改善につながります。
該当する用語がありません