解説
サービスリカバリーは、配送の遅れ、誤った案内、システムの障害など、サービスの提供で起きた失敗に対して、企業が顧客の不満を解消し、関係を回復させるための対応です。対象は、顧客が申し出たクレームだけではありません。企業が先に失敗に気づき、顧客が問い合わせる前に連絡する対応も含まれます。サービスリカバリーを論じた代表的な論文に、Hart、Heskett、Sasserの「The Profitable Art of Service Recovery」があります。同論文は、1990年にハーバード・ビジネス・レビューに掲載されました。
実務での使われ方
コンタクトセンターでは、サービスリカバリーを、たとえば次のような流れで進めます。
- 失敗によって顧客にかけた不便に対して、限定謝罪を伝えます。
- 事実を確認し、何が起きたか、いつまでに何をするかを説明します。
- 交換、返金、再手配などで、失敗そのものを解決します。
- 必要に応じて、失敗の程度に見合った補償を提案します。
- 解決後に連絡し、問題が残っていないかを確認します。
さらに、同じ失敗が繰り返されないよう、原因を記録して関係部署へ共有します。
注意点
サービスリカバリーは、クレームやグッドマンの法則と関係の深い言葉ですが、指す対象が異なります。クレームは顧客が企業に伝える不満で、グッドマンの法則は苦情対応と再購入意向の関係をまとめた経験則です。一方で、サービスリカバリーは、失敗に対して企業が行う対応そのものを指します。なお、サービスリカバリーの対応がまずければ、二次クレームにつながることがあります。
また、失敗から満足のいく形で回復した顧客の満足度が、失敗がなかった場合と同等以上になる現象は、サービスリカバリー・パラドックスと呼ばれます。ただし、研究の結果は一致しておらず、再購入や口コミへの効果は一貫していません。したがって、失敗を防ぐ取り組みの代わりにサービスリカバリーに頼るのは避けます。
該当する用語がありません